差別は結構どこにでもある。
私たち日本人も海外に出れば差別されるがわ。
差別と書くと何かもっと大事のように感じますが、見下されるということや軽蔑を含めればそれはとても身近なものになります。
怒りの連鎖は途方もなく、私たちの心を傷つけていきます。
私たちに劣等感を与え、どんどん気分を悪くしていく人は実際にいるものです。
自分自身の中の劣等感と距離を置き、卑屈にならずゆったり構える。そんな風に過ごせたらいいですね。
私たちを少し楽にしてくれるお釈迦様の逸話をシェアします。
あるところに、
お釈迦様が多くの人たちから尊敬される姿を見て、
ひがんでいる男がいました。「どうして、あんな男がみんなの尊敬を集めるのだ。
いまいましい」男はそう言いながら、
お釈迦様をギャフンと言わせるための作戦を練っていました。ある日、その男はお釈迦様が毎日、
同じ道のりを散歩に出かけていることを知りました。そこで、男は散歩のルートで待ち伏せをして、
群衆の中で口汚くお釈迦様を
ののしってやることにしました。「釈迦の野郎、きっと俺に悪口を言われたら、
汚い言葉で言い返してくるだろう。
その様子を人が見たら、
あいつの人気なんて、アッという間に崩れるに違いない」そして、その日が来ました。
男はお釈迦様の前に立ちはだかって、
ひどい言葉を投げかけます。お釈迦様は、ただ黙って、
その男の言葉を聞いておられました。弟子たちは悔しい気持で、
「あんなひどいことを言わせておいていいのですか?」
とお釈迦様にたずねました。
それでも、お釈迦様は、ひと言も言い返すことなく、
黙って、その男の悪態を聞いていました。男は一方的に、
お釈迦様の悪口を言い続けて疲れたのか、
しばらく後、その場にへたりこんでしまいました。どんな悪口を言っても、
お釈迦様がひと言も言い返さないので、
男はなんだか虚しくなってしまったのです。その様子を見て、お釈迦様は、
静かにその男にたずねました。「もし他人に贈り物をしようとして、
その相手が受け取らなかった時、
その贈り物は、一体誰のものだろうか」こう聞かれた男は、
突っぱねるように言いました。「そりゃ、言うまでもない。
相手が受け取らなかったら、
贈ろうとした者のものだろう。
分かりきったことを聞くな」男はそう答えてからすぐに、
「あっ!」
と気づきました。お釈迦様は静かにこう続けられました。
「そうだよ。
今、あなたは私のことをひどくののしった。
でも、私はそのののしりを、少しも受け取らなかった。
だから、あなたが言ったことは、
すべて、あなたが受け取ることになるんだよ」(出典:変わりたいあなたへの33のものがたり)